真空加圧含浸処理とは
効果
製品内部の目に見えない巣穴を埋めて、不良品を激減
含浸とは、製品内部にある巣穴やピンホールのガスを抜き、含浸液 (樹脂溶液)を浸透させて圧漏れ不良をなくす処理のことをいいます。(含浸加工ともいう)
ダイカスト製品(アルミニウム、亜鉛)、鋳物製品、鋳鉄、銅合金などの耐圧部品に含浸処理を行うことにより「巣漏れ不良」「圧漏れ不良」がなくなり、「水分、油分、ガス」などの浸入も防ぐことができます。
また圧漏れ防止効果のみでなく、メッキ処理や塗装後の「膨れ、シミ出し防止」効果もあります。
当社の含浸工程では、圧力をかけ含浸液を浸透させる「真空加圧含浸処理」を行っているため、一般的な「真空含浸処理」よりも、良い効果が出せます。
工程
1. 前処理
製品の表面及び巣穴の汚れ(油分、水分、切削くず等)を取り除くために脱脂洗浄を実施。
2. 製品詰め
含浸液の液切れが良い方法で、製品にキズ・ダコンがつかないようにカゴに詰める。
3. 真空
カゴを含浸タンクに入れる。
0.2kpa以下の真空度を20分間保持。
4. 加圧
含浸液を注入し、7kg/cm2の圧力で20分間保持。
※圧力をかけることで、従来の方法よりも含浸液の浸透力UP
5. 液切り
カゴを傾けて製品表面、ねじ穴、凹みに付着している含浸液を切る。
6. 水洗い
1槽目で製品に付着している含浸液の大部分を、2槽目で残りをきれいに洗い流す。
7. 硬化
熱風乾燥機にカゴを入れ製品を加熱硬化。
作業動画
含浸液の特徴
当社では、中央発明研究所の有機含浸液「スーパーシールP-605」を使用しております。
スーパーシールP-605の特徴
- 水溶性で低粘性、低表面張力のため、水洗浄性が良く、ねじ穴や細部の液残りがない。
- 含浸液は処理後に100%硬化するので、表面処理や圧検査、機械加工、組み立て作業がすぐに出来る。
- 耐熱温度が約200度なので、エンジン部品などにも対応。